『トスカのキス』
登場人物達//ストーリー//私の読後感//トスカって何じゃ!?

にわかに信じ難いことに
森雅裕好きがもたらしたある偶然から、氏の未発表作品を入手することができました!このページではその作品の1つ、長編小説『トスカのキス』の簡単なレビューを綴りたいと思います。皆様のご意見・ご感想などを掲示板に寄せていただけると管理人は大変喜びます。

尚、入手ルート等に関しての情報開示は控えさせていただきます。
この作品は森さんのファンならずとも、自らの手にとって読みたい、という方が多いと思います。ですが私が入手した方法について、Web上に公開するには少なからずプライベートの面を公開し過ぎるきらいがありますし、また個人でのお問い合わせについても、各人にフェアな対応をする自信がないのです。本当に申し訳ありませんが、どうかご了承ください。

追記:『トスカのキス』は2005年末に刊行されました。
登場人物達
草凪環 --- オペラ歌手。
海外のコンクール荒らしをしているが、日の当たる場所に身を置く事は望まない女性。オペラタワーのこけら落とし公演『トスカ』の"セコンダドンナ"を務める。美人。三十路を越えているらしいが、女子大生のような瑞々しさを印象付ける体型と機敏な行動力を持っている。調理師免許を所持しており、実は元○○○。
※セコンダドンナ…ダブルキャストの二日目をつとめるプリマドンナ。
鍋島倫子 --- 作曲家。
環が海外へ行っている間に餓死した。業界から干されたために知名度は高くなかったが、熱心な支持者は存在し、ネット上のファンサイトに自ら参加することもあった。環とは高校時代からの友人。
緒沢俊介 --- 『トスカ』プロデューサー。
小説家として成功しているが、幅広いジャンルを網羅する"文化人"。名家の御曹司であり、政界、マスコミに太いパイプを持つ。環に一目置いている。「ウィザード」という文化団体を主催する。
神尾新市 --- 『トスカ』演出家。
派手な演出を好み、環とは衝突することも多い。倫子を業界から干した張本人であり、見殺しにしたとマスコミから大きく取り上げられる。
『トスカ』こけら落としの当日、突然テロリストの主謀格と化す。
望月友弥三佐・出光村正三尉 --- 月光コンビ。
自衛隊第一空挺団隊員。空からテロリストの制圧を仕掛ける。
and more...
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ストーリー
『トスカ』出演のために帰国したオペラ歌手、草凪環が手に取った週刊誌には、友人の作曲家、鍋島倫子の死が報じられていた。死因は「餓死」という名の自殺―。この出来事はマスメディアでもセンセーショナルに取り上げられ、やがて演出家である神尾新市との軋轢が露呈する。神尾は倫子の窮状を訴えるメールを黙殺していたのだ。
そんな彼と仕事を組まなければならない環は、怒りと憎しみを増幅させつつも、倫子の当て擦りのような死に様に疑問を持たずにはいられなかった。

迎えた公演初日には、事件の話題性も相成って多くの報道陣が詰め掛けていた。公演を中継するCS局のカメラも、開演前の張り詰めた様子を映し出す予定だった。
しかしカメラがお茶の間に送り出したのは、銃を手にした男達と、真新しい客席を染める血飛沫だった。

「演出家をやっている神尾新市という者だ。―オペラタワーは占拠させてもらった。先刻、視聴者にお届けした映像は作りものではなく、現実だ。」

神尾は『トスカ』で繰り広げられるの悲劇を、出演者達に実演するよう命じた。登場人物達の感情や勘違いが交錯し、血が流れ続ける『トスカ』―。
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私の読後感
未発表作品の感想を書くのは何て難しいんだろう…、と贅沢な悩みを抱えています。あくまで一度読んだ時点での、暫定的な感想です。読み返すことによって新たに見えてくる部分等があると思うのですが、読了直後の新鮮な気持ちを書き落とすことにしました。

面白い!最高!感動!などというありふれた言葉は並べたくないのですが、とにかく、登場人物達の会話の歯切れの良さ、作中に登場する自衛隊描写のこだわり、読後感、その全てが森雅裕節全開、私にとってはまさしく"求めていた作品"でした。
未発表作品を読んでいる、というミーハーな要素の興奮だけで読書が持続する筈はなく、私のページを捲る手が最初から最後まで止まらなかったのは、心地良い臨場感で展開するストーリーが私をがんじらめにしていたからなのです。

鮎村尋深のようなヒロインにはもうお目にかかれないのだろうな…。そう思っていた私の気持ちを高揚させたのは、草凪環の存在でした。成熟した尋深が読者の前に現れるとしたら、それが環なのではないか?と、自分勝手な感慨に浸ることができました。森雅裕ファンなら一度は出会わなければならない、そんな印象を強く与える女性です。

まったく、これが世に発表されることが許されないなんて、私がK談社だか集E社だかにテロを起こしたい気分です。
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トスカって何じゃ!?
『トスカ』はビクトリアン・サルドゥ原作、ジャコモ・プッチーニ作曲の歌劇で、1900年にローマのコスタンツィ劇場で初演されました。

舞台は1800年、オーストラリア支配下のローマ。教会に逃げ込んできた政治犯アンジェロッティを、友人の画家、カヴァラドッシは匿います。しかしその行動を怪しんだ恋人のトスカは、アンジェロッティの行方を追う警視総監のスカルピアに唆され、彼をカヴァラドッシの元へ導いてしまいます。カヴァラドッシは拷問にかけられ、それに耐えられなくなったトスカは、スカルピアにアンジェロッティの居場所を白状します。
そんな折、「ナポレオン勝利」の知らせが届きます。カヴァラドッシは喜び、それを見たスカルピアは彼を反逆者と見なし幽閉します。
カヴァラドッシの死刑が決定し、トスカはスカルピアに中止を懇願します。スカルピアは、自分にトスカの体を委ねるという条件で、カヴァラドッシの見せかけの死刑、その後の二人の海外逃亡を約束します。しかし恐ろしくなったトスカは、その場でスカルピアを刺し殺します。
カヴァラドッシの死刑執行日。見せかけの死刑が成功したと思ったトスカは喜びますが、実は見せかけではなくカヴァラドッシは本当に死んでいました。更にスカルピア殺害の容疑者として、自らの身に危機が迫っていることを感じたトスカは、アンジェロ城から身を投げるのでした。

…こんな項目を作ったものの、私もオペラには全く詳しくなく、もっと正確な解説がネット上にはたくさんありますので、よく分からなかった方はそちらを検索してみてください、すみません(涙)。
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