| Staff & Cast |
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| 和倉勇作(柏原崇) | 瓜生晃彦(藤木直人) | 瓜生美佐子(本上まなみ) |
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| 日野早苗(飯島直子) | 松村顕治(中村賀津雄) | 内田澄江(手塚理美) |
| 原作からの変更点 |
- 瓜生晃彦に「視点」を持たせた。
- (晃彦の父親)直明は、晃彦と美佐子の挙式の最中に倒れ、救急車で搬送される途中に亡くなった。救急車に同乗した晃彦は自分の耳で、直明の最期の要請を聞いた。
- 晃彦の弟妹は、事件には関与しなかった。
- 家政婦は、お茶の買い足しには出掛けなかった。
- 殺人事件は、原作よりもかなり簡略化された構成になっていた。(謎解きの部分は捨てているという印象があった)
- 家政婦も治験者だった。
- 早苗さんは、中国の唄ではなく、「どんぐりころころ」「歌を忘れたカナリア」等の、日本の童謡を歌っていた。
- 美佐子の父親の秘密は、父親自身が美佐子に告白した。
- 早苗さんのお墓は無縁仏の扱いで、広い野原のような場所に、質素な卒塔婆がポツンと立つだけだった。
| dramaW「宿命」の感想 |
読者には、それぞれ、「ここだけはこのような形であって欲しい」というポイントが存在すると思います。私の場合は、ラスト10ページ分の構成が全てでした。そこの部分が、自分が思い描いていたままの光景だったので、とても心地良い余韻が残りました。
ラスト10ページ、最後の一行の解釈は、読者によって千差万別ですが、ドラマ「宿命」の脚本家だか演出家だかとは意見の一致を見たようです。
| dramaW「宿命」-再会場面- |
孤高のイメージはあっても、荒ぶるところはなかった原作との違いに、最初は少し戸惑いました。
晃彦と勇作の再会場面でも、原作の勇作には、コンプレックスに端を発した深い屈託と、
「久しぶりだな、瓜生」
「和倉か―」
勇作の微妙な心理が巧みに描かれていた場面だけに、この部分の変更には僅かばかりの不満が残りました。ただ、ドラマの勇作はとてもカッコ良いので、こちらの方が素敵!と感じた読者も少なくなかったでしょう。
美佐子と勇作のワケあり面談は屋外に移されました。
原作では、美佐子と瓜生家の人々は円満な家族関係を築いていたかのようでしたが、ドラマではやや冷ややかな状態と映りました。弟妹が事件に絡まない事もあり、構成上の煩雑さを回避する目的があったものと思われます。
| dramaW「宿命」-複雑な背後関係- |
この部屋で、勇作は美佐子に、晃彦が隠し持っている「電脳」関係の文献を入手して欲しいと依頼します。
原作に較べ、美佐子の心理描写が少なくなっているため、ドラマだけを楽しまれた方なら、彼女が勇作の依頼を承諾する事に、若干の不自然さを覚えたかもしれません。
晃彦の部屋を探っていた美佐子は、夫に見咎められたばかりか、勇作から預かった「早苗さんの死亡事件に関する調査書」まで取り上げられてしまいます。そして晃彦は、その調査書から、「墓参り」の事実を知ります。
「墓参り」にはとても深い意味がありますが、原作の中ではそんな事に気付く筈もなく、簡単に読み飛ばしてしまいです。
ところが、晃彦に視点が与えられた事で、この部分が、とても魅力的な素地を作りました。
右の画像は、勇作の「墓参り」を知り、晃彦が「まさか―」と呟くシーンです。
真相を知る原作の読者は、晃彦の心情を忖度して、色々な興味を駆り立てられる事になります。
| dramaW「宿命」-ラスト10ページ- |
ただ不思議な事に、展開の中での違和感はなかったように思いました。
ラスト10ページは、ここを舞台に繰り広げられました。
いよいよ問題のあの場面に突入です。
左画像の晃彦から、驚愕の真相を告げられた右画像の勇作は―。
原作とは違った流れになりましたが、私には好ましい演出と映りました。というか、私には、「宿命」の刊行当初から、なぜこういう展開にならないのかと不思議だったのです。勇作の嗚咽が、見る側の涙腺も多いに刺激してくれました。
東野さんは最後の1行に万感を集約させましたが、ドラマでは、その感情を早めに押し出した恰好になりました。
ラスト一行には一言だけ書き加えられた台詞がありました。
「ひとつ聞いていいか、どっちが先に生まれた?」
「…勇作、君の方だ」
2人が同じ幻を見るシーンで、ドラマ「宿命」はエンディングを迎えました。
一緒に視聴していた知人は、「納得行かない!」と言っていました。ラストの捉え方が、彼女の解釈とは、微妙に違っていたからです。「これと決まった形はないと思うし、このラストもたくさんある解釈の内のひとつでしかないと思う」とも言っていました。その通りです。
ただ、胸の中の想いをそのままの形で映像にしてもらえた私が、大層満たされた気分になったことは、どうしようもない事実なのです。にんまり、にへら〜。