浪花少年探偵団
作品DATA
  • 出版社 講談社(ISBN:4062041618)
  • 発刊日 1988/12/12
  • 文庫化 講談社文庫(ISBN:4061850296)
  • 文庫発刊日 1991/11/15
  • Detail 内容:しのぶセンセの推理/ しのぶセンセと家なき子/ しのぶセンセのお見合い/ しのぶセンセのクリスマス/ しのぶセンセを仰げば尊し
    文庫の解説は宮部みゆきさん
  • お薦め度 ☆☆☆☆
  • お気に入り指数 ☆☆☆☆
作品Outline
竹内しのぶ25歳、職業は小学校の教諭、黙っていれば美人と評される事もある「しのぶセンセ」は、行く先々で難事件に遭遇してしまう。教え子の父親が殺害されたり、見合い相手が殺人事件の容疑者にされてしまったり―。
その縁で警察関係とも知己を得るが、時には、ベテラン捜査官が脱帽する程の推理力を発揮する「しのぶセンセ」である。

大阪の下町を舞台にした、笑いあり、涙ありの連作短編推理。

作品Review
1988年、『浪花少年探偵団』が登場した時には小躍りしたものでした。
東野さんの文体には、「起」「承」「転」「結」だけでなく、「起」「ツッコミ」「転」「オチ」の香りが漂っています。
それ故に、この作家さんならユーモアミステリーを書いても巧く処理できるのではないか?という思いを抱いていたからです。(東野圭吾さんはユーモアミステリーという表現を嫌っているのですが、本作が上梓された当時はそれを知らなかったので、そのままの言葉を使用しました)

  • しのぶセンセの推理
    しのぶセンセが担任をするクラスの保護者が、何者かに殺害された。
    被害者が自宅を出て犯行現場に向かった時間帯、怪しい人物にはアリバイがあるが…。
    下町に住む子供の強さや健気さが、胸に響く物語です。
    ところで、漆崎刑事は、大和川を「昔はここもある程度はきれいやったんや」と言いましたが、そうかしらん!?私が子供の頃はとんでもなく汚い川で、寧ろ最近の方が美しくなっている印象です。
  • しのぶセンセと家なき子
    しのぶセンセのクラスの児童、田中と原田が、相次いで、購入したばかりのファミコンソフトを奪われてしまう。盗んだのは、同じ年頃の、足の速い少年。
    話を聞いたしのぶセンセは「大事な教え子のためやから」と、犯人探しに乗り出す。
    子供の頃に読んだ児童書の雰囲気が漂う作品、という印象を持ちました。やんちゃで元気な悪ガキ、でも中身は良いものを持っている―、作者のノスタルジアが描かれているのかもしれません。
  • しのぶセンセのお見合い
    しのぶセンセのお見合い現場を偵察している新藤刑事のポケットベルに、殺人事件の連絡が入る。
    被害者は、見合い相手が勤務する会社の社長だった。
    しのぶセンセシリーズに、新たなレギュラーの誕生です。
    名前は本間義彦―、エリートサラリーマンという触れ込みになっていますが、実際には、標準的な階層の好人物、って事になるのでしょう。
    しのぶセンセの推理力がプロ以上に冴える展開になっています。
  • しのぶセンセのクリスマス
    しのぶセンセがナイフを入れたクリスマスケーキの中には、血染めのナイフが入っていた。
    一方、アパートの自室で遺体となって発見された女性は、「ケーキ」というダイイングメッセージを残していた。
    ベテラン刑事の漆崎に、「今度から、騒ぎが起こってからやなしに、起こる前に連絡してもらえませんか」と言われてしまう、しのぶセンセ―、本当に、行く先々で事件に遭遇してしまうのはどういう事でしょう?
    この回は、教え子を総動員しての人海戦術で、事件の解決に貢献しました。
    血染めのナイフが仕込まれたケーキを承知でつまみ食いするしのぶセンセは、色々な意味で、凄過ぎる人物です。
  • しのぶセンセを仰げば尊し
    田中鉄平は、風邪で学校を欠席した日、自宅アパートの上階に住む主婦がベランダから転落したのを目撃する。
    その主婦は、鉄平が気になっている下級生の母親であった事から、真相究明をしのぶセンセに依頼するが…。
    二人の男性から求愛されているしのぶセンセですが、この回では、彼女の気持ちの傾きがどちらにあるかが窺えます。
    爽やかで感動的なラストに、ちょっとホロリとさせられます。
2005年9月28日に更新
しのぶセンセのProfile
  • 姓名 竹内しのぶ(25歳)
  • 職業 小学校教諭
  • 容姿 エリートの本間と刑事の新藤がしのぶを巡る恋の鞘当てを演じるぐらいだから、なかなかの美人。だが、丸い輪郭と、明朗快活過ぎる性格が災いして、教え子達には過小評価されている。
  • 人物評定 猪突猛進・直情径行型人間。脳みそまでが筋肉で出来ていそうな体育会系キャラだが、周囲で頻発する事件をバッサバッサと解決して行くところから察すると、それなりの優秀さは持ち合わせているようだ。
    大阪大路小学校6年5組の児童を卒業させた後は、兵庫県の大学へ内地留学して勉学に勤しむも、事件塗れの日々からは脱却できずじまい。
  • 未来展望 本間と新藤、しのぶがそのどちらを選ぶかが大いに気になる所だが、傀儡師である東野圭吾が役を降りてしまった為に、想像と言う名の妄想を巡らすしかない現状。現場復帰後も事件三昧の日々を送っているなら、新藤に勝機がありそうだ。
  • しのぶセンセが解決した事件を紹介した書籍
    『浪花少年探偵団』『浪花少年探偵団・独立編 しのぶセンセにサヨナラ(原題は'浪花少年探偵団2')』
  • テレビ出演 NHKがドラマ化 山田まりや(竹内しのぶ) / 細見大輔(新藤雅美) / 岸本祐二(本間義彦) / 他
『浪花少年探偵団』の登場人物一覧
竹内しのぶ(25歳) 小学校教諭・独身
大路小学校6年5組の担任
田中鉄平:大路小学校6年5組の児童 / 原田郁夫:大路小学校6年5組の児童 / 畑中:大路小学校6年5組の児童 / 中田:大路小学校の教頭 / 村井警部:大阪府警捜査一課の班長 / 漆崎刑事:大阪府警捜査一課勤務 / 新藤:大阪府警捜査一課勤務 / 本間義彦:K工業の幹部候補生・しのぶの見合い相手 / 竹内妙子:しのぶの母親
■ しのぶセンセの推理
福島文男:失業中・大和川の堤防付近で遺体となって発見される / 福島雪江:文男の妻・おもちゃ工場(株式会社チルド)の従業員 / 福島友宏:文男の息子・大路小学校6年5組の児童 / 福島則夫:文男の息子・大路小学校2年の児童 / 山田徳子:福島一家が住んでいるアパートの隣人 / 小川社長:土建業・福島友宏の幼馴染 / 太田美和:大路小学校6年5組の児童 / 木戸一郎:株式会社チルドの製造部長 / 小坂班長:株式会社チルドの従業員
■ しのぶセンセと家なき子
荒川利夫:アパートの自室で遺体となって発見される / 千枝子:荒川利夫の前妻 / 梶野政司:荒川利夫が住んでいたアパートの家主 / 梶野真知子:政司の娘・大路小学校の卒業生 / 阿部紀子:荒川利夫の隣の部屋にすむ主婦 / 中村電器店のおやじ:ファミコン売り場を充実させている / 足の速い少年:ファミコンソフトを盗んで転売している / 石井刑事:所轄署の捜査官
■ しのぶセンセのお見合い
元山政夫:K工業の社長・本社工場の中で遺体となって発見される / 元山武夫:政夫の息子・K工業の専務 / 田辺:K工業の工場長 / 戸村:K工業の下請け業者 / 大原ゆりこ:K工業勤務・経理担当
■ しのぶセンセのクリスマス
藤川明子:アパートの自室で遺体となって発見される / 高野千賀子:藤川明子の友人・死体発見者・英会話スクールの事務員 / 酒井直行:藤川明子の恋人・日本橋の電器店勤務 / 松本悟郎:高野千賀子の恋人・英会話スクールの講師 / ケーキ屋の女性:洋菓子店『ポンポン』の店主 / 筒井美智代:英会話スクールの事務員 / 広田刑事:大阪府警捜査一課勤務
■ しのぶセンセを仰げば尊し
宮本清子:大阪中央環状線の脇で遺体となって発見される・電子部品会社に勤務 / 宮本和美:清子の母親・雑貨店を経営 / 朝倉奈々:大路小学校5年生の児童・登校班のリーダー / 朝倉町子:奈々の母親 / 昌子:朝倉町子の実妹 / タカシ:大路小学校4年生の児童 / 田中美佐子:田中鉄平の母親 / 飯塚班長:宮本清子の職場の上司 / 児玉春代:宮本清子の職場の同僚 / 大瀬:宮本清子の勤務先の違う課に所属 / 横田:宮本清子の勤務先の違う課に所属